医療現場では、チーム医療への取り組みが活発に行われるようになった。複数の専門家が協力することで、一人や一つの職種ではできなかった医療を実現することが目指されているのである。その効果を高めていくためには、医療現場でチームワークを磨いていく必要がある。医療現場での取り組み方として適しているものが二つあるので確認しておこう。

一つはカンファレンスを活用することでチームワークを高める方法だ。昔ながらのカンファレンスでは話題提供者がメインで話をして、そのカンファランスに参加している中でも立場が高い医師が発言をして終わってしまう場合が多いだろう。その状況から脱却して立場も年齢も職種も問わずに自由に意見交換できる場にするのが効果的だ。積極的な情報共有を促して互いの理解を図ることにより、尊重し合えるチームを作り上げることができる。

もう一つは定期的に研修を行ってチームワークを築き上げる方法だ。仕事でしか関わる機会がない場合には、ほかの医療スタッフのことを理解する余力がない場合も多い。研修という機会を設けることによって、その場では他のメンバーに対する理解を深めるのに集中させることが可能である。特に重要なのが他の医療スタッフの専門性を認識させることであり、ロールプレイングを通して学ぶのが効果的だ。このような機会を定期的に設けることで次第に互いの強みがわかるようになり、その長所を尊重して協力する体制を整えられることが可能になるのである。